始めに
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』解説あらすじを書いていきます。BTTFシリーズ(1.2.3)の3作目です。
背景知識、演出
スピルバーグ流の新古典主義
本作の演出家ロバート=ゼメキス監督はスティーブン=スピルバーグ(『ジョーズ』『インディ=ジョーンズ』シリーズ[1.2.3.4])の衣鉢を継ぐ新古典主義者として知られています。その点では大林宣彦監督(『ふたり』)、黒沢清監督(『CURE』)などと重なりますが、ゼメキスのその手腕は並はずれており、黒沢清すら上回っているようにも感じられます。スピルバーグのフォロワーとしては、ジョー=ジョンストン(『ロケッティア』)、シェーン=ブラック(『ザ=プレデター』)にも匹敵します。
マカロニウエスタン
このシリーズはマッドマックスシリーズ(1.2.3.4)シリーズのように、シリーズの各作品ごとに異なった遊びのコンセプトが見えてバリエーション豊かな魅力がありますが、本作はレオーネ監督『荒野の用心棒』を強く意識するマカロニ・ウェスタンとしてデザインされています。
とはいえ、巨匠ゼメキスのことです。マカロニのパロディではあっても、ホークス監督の西部劇(『リオ=ブラボー』)のような、朗らかなコメディとして仕上げていて、マカロニ特有のえぐみもあまりありません。
物語世界
あらすじ
前作のラストで、タイムマシンのデロリアンが飛行中落雷に打たれ、ドクは1885年に飛ばされます。しかし、マーティはドクからの手紙の指示通り、PART1のラストで過去の自分と別れたばかりの1955年のドクと再会します。手紙には自分は西部開拓時代の鍛冶屋となったこと、1885年の技術では故障したデロリアンを修復し帰還するのは不可能なためこの時代で生涯を終える決心をしたこと、そして残しておいた故障したデロリアンを1955年の自分に修復させ1985年に帰った際にはデロリアンを破壊するように指示されていました。
1985年に帰るために鉱山に封印されたデロリアンを掘り起こすマーティは、鉱山付近の墓地でエメット=ブラウンの名が彫られた墓石を偶然発見し、記録を調べたところ、手紙を書いた約一週間後の1885年9月7日にドクがビフの祖先であるビュフォード=タネンに射殺されることを知ります。
ドクを救うために、マーティは1955年のドクの協力の下、修理したデロリアンで手紙の消印の翌日となる1885年9月2日午前8時00分へとタイムトラベルします。しかしタイムトラベルした直後、インディアンの大群と騎兵隊に遭遇した上に熊にも襲われ、坂から転げ落ちて気絶します。そこで自分の祖先にあたるシェイマスとその妻のマギーに助けられ、その協力でヒルバレーにたどり着いたものの、不運にもビュフォード=タネンに出くわしてしまう。マーティは危うく殺されそうになるものの、間一髪のところでドクに助けらました。
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