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フェリーニ監督『 8 1/2』解説あらすじ

1960年代解説
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はじめに

 フェリーニ監督『 8 1/2』解説あらすじを書いていきます。

演出、背景知識

モダニズム文学の影響。一人称視点のリアリズム

 本作はプルースト『失われた時を求めて』の影響を感じさせる内容です。 

 『失われた時を求めて』にも用いられる、モダニズム文学に典型的な手法が意識の流れでした。等質物語世界の語り手を複数導入する手法はH=ジェイムズ『ねじの回転』、コンラッド『闇の奥』など、モダニズムの先駆者の作品に見えますが、ジョイス『ユリシーズ』、フォークナー『響きと怒り』、ウルフ『ダロウェイ夫人』などに見える意識の流れの手法は、それに現象学(フッサール、ベルクソン)、精神分析などの心理学、社会心理学、プラグマティズム的な知見を元にラディカルに押し進めたものでした。

 プルーストも現象学のベルクソンの親戚であり、その思想から顕著な影響を受けました。ベルクソンの思想とその現象学は一人称的視点の集積として世界や社会を解釈しようとするプラグマティズム、システム論的なもので、『失われた時を求めて』も一個のエージェントの視点から、社交界における実践を記述しようとします。一人称視点の主観的なタイムトラベルが繰り返される中で、失われた時の中の過去が綴られていきます。

 同様に、本作も焦点化がなされる主人公の過去が縦横に、メンタルタイムトラベルやマインドワンダリングを通じて描かれていきます。

映画作りをめぐる映画

 本作は映画作りをめぐる作品になっています。その点でゴダール監督『軽蔑』などとかさなります。

主人公のグイドは、映画監督です。彼は湯治場にやってきました。そこでもグイドは、愛人カルラ、妻ルイザそして職業の上での知人たちとの関係に縛られます。元の生活への倦怠から、彼がすべてのことを投げ出そうとした瞬間、人生経験をかたち作っているすべての人が、笑顔をもって彼と同じ目的地に向っていこうとしているような気がしました。

物語世界

あらすじ

 グイドは、映画監督です。彼は湯治場にやってきました。そこでもグイドは、愛人カルラ、妻ルイザそして職業の上での知人たちとの関係に縛られます。

 カルラとは肉体的な愛情だけで結ばれています。妻ルイザとの関係は冷え切っています。グイドの心をよぎるのは若く美しい女性クラウディアです。彼女は、グイドの願望の象徴です。やがて思索は両親のことへ移ります。

 元の生活への倦怠から、彼がすべてのことを投げ出そうとした瞬間、人生経験をかたち作っているすべての人が、笑顔をもって彼と同じ目的地に向っていこうとしているような気がしました。

 

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