始めに
ライミ監督『死霊のはらわた3』解説あらすじを書いていきます。『死霊のはらわた』シリーズ(1.2.3)の３作目です。
演出、背景知識
スプラッター映画
本作はスプラッター映画の文脈にあります。
「スプラッター映画」という用語は、ジョージ＝A＝ロメロが彼の映画『ゾンビ』を説明するために作ったもので、以後定着していきました。
特徴としてはスプラッター映画は直接的で残虐な描写や暴力描写に重点を置いていることが多いです。また、ロメロの作品からそうなのですが、ブラックユーモアを孕んだ作品が多く見られ、本作も同様で、ナンセンスなテイストが強いです。
パニックホラー、悪魔ホラー
本作はプロットや展開もロメロ作品からの影響が顕著です。
シリーズ(1.2.3)では死者の書という魔導書があり、それによって悪霊たちが蘇り主人公たちを襲い、取り憑いて支配しようとします。
タイムトラベルもの
シリーズ(1.2.3)は、1と2は繋がりはなく、パラレルワールドのような感じで、2は1のリブートなのですが、3は2から地続きの物語で、2のラストで中世へとタイムスリップしたアッシュのその後の物語が描かれます。
アーサー王なども現れ、中世騎士道物語を踏まえるファンタジー作品として本作は展開されていきます。
中世でも悪魔が人を襲ったりしていて、また死者の書により封印が解かれて悪魔軍団が復活し、アッシュたちに戦いを挑みます。
物語世界
あらすじ
死霊との戦いの末、中世にタイムスリップしたスーパー「Sマート」の店員アッシュは、アーサー王に敵ヘンリー王の一味と間違われ、チェーンソーを奪われ、死霊の巣食う穴倉に投げ込まれます。
しかしアッシュを異世界からの勇者と看破した賢者がチェーンソーを穴に投げ入れ、アッシュは死霊を撃退します。アッシュはその場にいたヘンリー王を解放し、アーサー王を殴り倒し、人々から英雄として迎えられます。
元の時代に戻るには『死者の書』が必要だと賢者から教えられたアッシュは、ヘンリー王との戦いで兄を亡くしたという街娘シーラと一夜のロマンスののち、死者の本があるという悪魔憑きたちの巣食う墓地へ向けて旅立ちます。
途中森の中で悪魔憑きに襲われ、逃げ込んだ風車小屋の中でアッシュそっくりの姿をした小人の悪霊の一団と戦うものの、悪霊に体内へ入り込まれ、自分の分身として分裂してしまいます。分身をライフルで倒したアッシュはチェーンソーでその体を解体し、怨み口を叩く分身の生首をそのまま埋葬します。
本の元へ辿り着いたアッシュですが、本を取る際に必要な呪文を忘れてしまい、適当に誤魔化した為に悪魔の軍団が復活します。本を持って悪魔憑きからアーサー王の元へ逃げ帰るアッシュですが、悪魔憑きの軍団は本を取り戻す為アーサー王の城へ迫ります。アッシュは元の時代に戻る自分には関係ないと言って人々から憤慨されるものの、飛来した翼を持つ悪魔にシーラがさらわれ、悪魔憑き軍団と戦うことにします。
そのころ悪魔軍団の王として復活した分身アッシュが、シーラを悪魔憑きにして后にし城へ攻め入ろうとしていました。アッシュはアーサー王にヘンリー王へ救援の使者を出すよう要請し、悪魔軍団を迎え撃ちます。当初は悪魔軍団を圧倒するものの、城門を破壊され城内へ悪魔たちが侵入します。アッシュはこれを一緒にタイムスリップしていた愛車を改造した蒸気式戦闘車両で迎え撃つものほ、そこに現れたシーラをよけようとして車は大破します。
襲い掛かってきたシーラを、アッシュは城壁から投げ落とします。分身アッシュとの格闘の末、死者の書を奪われるものの、そこにヘンリー王の援軍が到着し、その隙を突いて死者の書を奪い返したアッシュは、火炎投石器で分身アッシュを打ち上げて倒します。
悪魔の軍団を打ち倒し、正気になっかシーラと歓喜に包まれる両軍は協力して国の再建を誓います。
アッシュは賢者に死者の本に載っていた元の時代に戻れるという薬を調合してもらい、シーラに別れを告げます。
劇場公開版では、薬は飲んだ後呪文を唱えることで元の時代に戻れる物で、アッシュ無事に元の世界に戻ります。元の時代に戻ったアッシュは、ただのSマーケットの店員となり、悪魔き関する自慢話をしていました。冗談だと思われていたものの、悪魔が現代にも現れ、アッシュや女性客に襲いかかります。吹っ飛ばされたアッシュですが、持ち前の知識や技術を使い、悪魔を冷静に銃で倒し、女性客とハグをします。
ディレクターズカットでは、アッシュの貰った薬は1滴で1世紀眠れるもので、7滴飲んで元の世界に戻ろうとします。 アッシュが目覚め、外に出るとそこには倒壊したビルやゴミが並んでいました。 間違えて薬を8滴飲んでしまっていたのでした。
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