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バーホーベン監督『ロボコップ』解説あらすじ

1980年代解説
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はじめに

 バーホーベン監督『ロボコップ』解説あらすじを書いていきます。

演出、背景知識

ウェルズ、ヒッチコック流フォルマリズム

 ヴァーホーヴェン監督はオーソン=ウェルズやキューブリック監督を思わせるフォルマリズムとバロックでグロテスクな喜劇性が特徴的です。

 本作も全体的に黒い風刺的な笑いに富んでいて、スラップスティックな笑いにも満ちています。

シュルレアリスム、ポップアート

 ヴァーホーヴェン監督はシュルレアリスムやポップアートからの影響が顕著です。

 シュルレアリスムは、ブルトンやコクトーなどに代表され、映画とも連動して展開されていきました。既成の秩序やアートへの異議申し建てを展開し、ブルジョワ社会や大衆消費社会への批判を展開しました。

 ポップ・アートもデュシャン『』などを源流とし、ポップ・カルチャーのモードの様式を取り入れつつ、それによってポップカルチャーや大衆消費社会、ブルジョワ社会への批判を展開しました。

 同種のコンセプトが本作にも通底します。

リバタリアンSFパロディ

 本作はハインラインなどに代表されるリバタリアン的なイデオロギーを内包するSF作品への風刺作品になっています

 リバタリアンSFはアイン=ランドの『肩をすくめるアトラス』などを先駆とするジャンルで、反社会主義的姿勢と個人主義的倫理がテーマとしてあり、ハインライン『月は無慈悲な夜の女王』もそうしたテーマを継承しました。

 『ロボコップ』はむしろラディカルな古典的自由主義、リバタリアニズムが招くディストピアを描いていて、凶悪犯罪都市となった近未来のデトロイトにおいて、巨大コングロマリット企業「オムニ・コンシューマ・プロダクツ」(OCP、オムニ社)に、警察すら民営化されてしまっています。警察もブラック企業になり、オムニ社のなかでも出世をめぐる積極的自由の衝突が起こる中で多くの人命が失われていきます。

物語世界

あらすじ

 凶悪犯罪都市となった近未来のデトロイト。巨大コングロマリット企業「オムニ・コンシューマ・プロダクツ」(OCP、オムニ社)に民営化されたデトロイト市警察では、警察官が過酷な勤務を強いられ、ストライキの機運が高まっています。オムニ社は未来都市「デルタシティ」建設に向け、犯罪を取り締まるロボット警官の開発を進めますが、ジョーンズ副社長の主導で開発された「ED-209」(エド・ツーオーナイン)はプレゼン中に暴走し、死者を出します。別チームのロボット開発計画を主導していたモートンはオールドマン会長に売り込みをかけ、計画の主導権を奪います。

 モートンが計画するロボット警官には、新鮮で優秀な「警官の遺体」が必要で、モートンは「候補者」となる優秀な刑事を最も過酷なデトロイト市警西分署へと異動させていました。その一人アレックス=マーフィ巡査は、バディに指名されたアン=ルイス巡査と、大勢の警官殺しで指名手配中のマフィア「クラレンス一味」を追います。2人は一味の隠れ家に潜入したものの、捕らえられたマーフィは至近距離から一斉射撃を浴び、瀕死になります。

 まもなくモートンが率いる開発チームが「ロボコップ」を発表し、西分署に着任させます。ロボコップがマーフィと同じガンスピンを披露するのを見たルイスは、その正体に疑念を抱きます。実はこのロボコップは、殉職したマーフィの生体部分を利用していました。ロボコップは次々に犯罪を解決していき、モートンは副社長に出世しますが、面子を潰されたジョーンズは宣戦布告します。

 ロボコップは休息中に生前の記憶が蘇って混乱し、開発チームの命令を無視して出動します。ルイスに「マーフィなの」と問いかけられた事、出動先で取り締まったクラレンス一味のエミールから「俺たちが殺したはずだ」と言われたため、自分の正体に疑問を持ったロボコップは、エミールの情報を元にデータベースを調べ、自分がクラレンス一味に殺されたマーフィだと知ります。そして生前家族と暮らし、売家になっている家を訪れ、記憶を取り戻します。その頃、ジョーンズと繋がっていたクラレンスにモートンが殺されます。

 ロボコップはクラレンス一味の取引現場の麻薬工場に乗り込み、クラレンスを逮捕するものの、そこで一味を支援する黒幕がジョーンズである事を知ります。ロボコップはオムニ社へ乗り込み、ジョーンズを逮捕しようとするものの、「オムニ社の役員には危害を加えない」というプログラムによって行動を封じられます。

 ジョーンズがけしかけたED-209を振り切ったロボコップは、オフィスを襲撃したとの通報で駆けつけた警官隊に攻撃されるものの、ルイスの助けで脱出します。

 警察がストライキに突入し、街が無法地帯となるなか、ジョーンズは釈放させたクラレンス一味に重火器を与え、証拠隠滅のためにロボコップを抹殺させます。一方クラレンスも、デルタシティ完成後の犯罪利権を譲られます。

 クラレンス一味はロボコップが身を隠す製鉄工場へ向かうものの、ロボコップとルイスによって返り討ちになります。再びオムニ社へ向かったロボコップは、一味から奪った重火器で警備のED-209を破壊し、役員会議に乗り込みます。

 一同の前で殺人の黒幕という証拠を公開されたジョーンズは、オールドマン会長を人質に逃走するものの、オールドマンがクビを宣告したことでオムニ社の役員の保護指令の対象外となり、ロボコップに銃撃されて建物から転落します。

 オールドマンに名前を訊かれたロボコップは「マーフィ」と答え、微笑んで会議室を後にします。

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