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バートン監督『バットマン』解説あらすじ

1980年代解説
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はじめに

バートン監督『バットマン』解説あらすじを書いていきます。

演出、背景知識

スピルバーグ的な新古典主義

 ティム=バートン監督はスピルバーグに似た新古典主義者で、クラシックなドイツ表現主義映画(『ガリガリ博士』)、怪奇映画風のムードを重視します。

 特に表現主義映画を特徴づける人工的なセットが醸すアンニュイなムードはバートン作品の魅力になっています。

バーレスク、象徴主義演劇とアメコミ

 バートン監督はまた、ダールやキャロル作品を原作とする作品もあることから分かる通り、象徴主義演劇やバーレスクの様式からの影響が顕著です。バーレスクとは、英国の風刺的な演劇ジャンルで、カリカチュアライズを特徴とします。

 本作は演劇風のカリカチュアライズのスタイルを上手くドイツ表現主義、アメリカン・コミックの演出と結びつけて展開した手腕が卓越してます。

 ノーラン監督の『ダークナイト』シリーズ(1.2.3)と比べても、全体的に全てが絶妙なバランスで高い完成度だと思っています。

ハマり役のニコルソンジョーカー

 強面で癖が強いジャック=ニコルソンは出てくると画面がコントみたいになるので個人的には苦手なのですが、本作のジョーカーはハマり役です。人工的な空気のおかげで、ニコルソンの漫画みたいな容姿がノイズになっていません。

物語世界

あらすじ

 犯罪都市ゴッサム=シティ。ある晩、強盗犯の前に異形のボディスーツを纏った男が現れます。彼は強盗犯に制裁を下し、「バットマン」を名乗り、仲間に自分のことを話すよう言い残して去りました。

 この噂を信じて調べている新聞記者のノックスと聡明な女性カメラマンのヴィッキー=ベールは、取材の過程でゴッサム一の大富豪である青年のブルース=ウェインと知り合います。ヴィッキーとブルースは惹かれ合います。

 一方、ゴッサムの裏社会を牛耳るマフィア、グリソムの右腕であるジャック=ネーピアは、グリソムの愛人に手を出したことで罠に嵌められ、化学工場でジャックと部下たちは警察官と応戦するものの、現れたバットマンにより次々と倒されます。ジャックはバットマンを銃で撃つものの、スーツに跳ね返された弾丸が近くの機械に当たり、破片を顔面にうけたジャックは化学薬品の液槽に転落します。

 ジャックは一命を取り留め警察からも逃げたものの、化学薬品の作用で肌は真っ白になり、顔面は極端に引きつった笑い顔に表情が固定されます。ジャックはやがて精神に異常をきたします。ジャックは「ジョーカー」を名乗ると、自分を罠にはめたグリソムらを殺害していきます。

 程なくしてゴッサムシティはジョーカーが支配する街へかわります。ジョーカーはバットマンに対決を申し込むのでした。

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