PR

スピルバーグ監督『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』解説あらすじ

2000年代解説
記事内に広告が含まれています。

はじめに

 スピルバーグ監督『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』解説あらすじをかいていきます。

背景知識、演出

ヌーヴェルバーグ(トリュフォー)風の新古典主義、フォルマリズム

 スピルバーグ監督は『未知との遭遇』のキャストにトリュフォーを招くなど、ヌーヴェルバーグ風の新古典主義が特徴です。

 アート映画の潮流のルーツにモダニズム文学があり、例えばT.S.エリオット『荒地』、フォークナー『響きと怒り』のような古典主義的作品があります。そうした作品では神話的題材の象徴的手法によって古典や歴史にアプローチしていきますが、まずそうした古典主義の要諦は、反俗的な精神にあります。伝統や公共性を持たないブルジョワジーへのアンチテーゼとしてモダニズムにおける新古典主義はあります。

 同様にスピルバーグの先達たるトリュフォー作品も、反俗的主題を保ちつつモダニズムから古典主義へと変遷をたどります。スピルバーグも本作においてアラン=ドワンやそのほかの連続活劇、剣戟映画のスタイルに学んで独自の古典主義的演出を組み立てています。

SW4的新古典主義と反帝国主義

 『インディ=ジョーンズ』シリーズ(1.2.3.4)の先駆としてスピルバーグも手伝っているSW4があります。SWシリーズはシリーズが5.6と進むにつれて当初のシリアル、剣戟映画のスタイルのパロディによる反帝国主義、反ベトナム戦争映画としてのコンセプトを喪失していきました。シリアルや剣戟映画の独特の空虚なムードによって帝国主義の空虚さを描いたSW4は変節し、やがてニューエイジ、精神分析、神話的象徴の手法でケバケバしく彩られたベタなモダニズムSFとなっていき、シリアルの演出を失ってしまいました。

 一方でその兄弟たる『インディ=ジョーンズ』シリーズ(1.2.3.4)は当初のシリアル、剣戟映画のスタイルのパロディとしての新古典主義を維持し続けました。一方で反帝国主義的ニュアンスはやや抑え目にはなっています。

シリーズにおける位置

 本作はシリーズ(1.2.3.4)のなかでは三部作で綺麗に終わったものに蛇足なエピソードを付け足した、みたいにも捉えられがちです。

 とはいえ、もともとのコンセプトを踏まえるならグダグダと007みたいにずっと続いてほしいシリーズですし、最後の聖戦を踏まえた世代交代の、父子のストーリーになっていて見応えあります。

物語世界

あらすじ

 イリーナ=スパルコ率いる偽装アメリカ陸軍に拘束されたインディアナ=ジョーンズと相棒マックは、翌日に近くで核実験が行われるネバダ州のアメリカ軍施設「エリア51」にある政府の機密物保管倉庫へ連行されます。

 インディはマックの裏切りに遭いつつも、何とか拘束から逃れるものの、マックとの間柄からFBIに尋問を受け、共産主義者とみなされ、赤狩りの対象になります。

 大学を無期限休職処分になり、祖国に失望したインディは国外に向かうため列車に乗ります。そこで謎の青年(マット=ウィリアムズ)と会います。彼によると自身の母親(マリオン=レイヴンウッド)がペルーから助けを求めているそうです。インディは旧友オックスの手紙を解読し、彼の足取りを追ってマットとペルーのナスカへ赴きます。

 インディたちはオックスの残した手掛かりを元に征服者オレリャーナの墓へ向かい、そこでオックスが隠したクリスタル=スカルを手に入れます。しかしソ連軍に捕えられ、宿営地へ連行されます。インディはそこで、変わり果てた姿のオックスと再会します。精神兵器を手に入れようとするイリーナは、マットの母親を人質に、オックスにクリスタル=スカルの安置場所のアケトーへ案内するようインディに強要します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました