始めに
ライミ監督『死霊のはらわた』解説あらすじを書いていきます。『死霊のはらわた』シリーズ(1.2.3)の1作目です。
演出、背景知識
スプラッター映画
本作はスプラッター映画の文脈にあります。
「スプラッター映画」という用語は、ジョージ=A=ロメロが彼の映画『ゾンビ』を説明するために作ったもので、以後定着していきました。
特徴としてはスプラッター映画は直接的で残虐な描写や暴力描写に重点を置いていることが多いです。また、ロメロの作品からそうなのですが、ブラックユーモアを孕んだ作品が多く見られ、本作も同様です。
パニックホラー、悪魔ホラー
本作はプロットや展開もロメロ作品からの影響が顕著です。
怪異に襲われて籠城した主人公たちが、次々とその餌食になり、敵に回っていきます。
本作では死者の書という魔導書があり、それにある呪文の録音オープンリールがあって、それが再生されたことで封印されていた悪霊たちが蘇り主人公たちを襲い、取り憑いて支配しようとします。
物語世界
あらすじ
フロリダ州ジャクソンビルで休暇を過ごそうと、主人公のアッシュ、姉のシェリル、恋人のリンダ、友人のスコットと彼の恋人のシェリーら5人の若者たちは道中で森の小屋を訪れます。
その地下室にてスコットは、偶然『死者の書』とそれに書かれていた呪文を録音したオープンリールを見つけ、好奇心から再生します。録音されていたのは、森に封じられた悪霊を蘇らせる呪文でした。
悪霊の声に呼び寄せられて森に出たシェリルは森の木々に襲われ、負傷して小屋へ逃げ戻り、強引にアッシュに運転させ、車で山を降りようとするも橋が崩落しており、小屋へ引き返します。状況を把握しようとテープの続きを聞いていると、突如シェリルが悪霊に憑依され、リンダの足首を鉛筆で刺して負傷させます。
スコットは斧で反撃し、シェリルを地下室へ閉じ込めるものの、シェリーも窓を破って侵入してきた悪霊に憑依されてしまい、スコットに襲いかかります。スコットはテープに録音されていた「悪魔つきを倒す方法」に従い、シェリーの身体を斧でバラバラに切断します。スコットはアッシュと2人でシェリーを埋葬するものの、アッシュたちを置き去りにし、森に入ってしまいます。
小屋へ戻ったアッシュが眠っているリンダの様子を見に行くと、足首の傷から何かが広がり、彼女も悪魔に憑かれます。そこへ、森の木々に襲われて瀕死になったスコットが逃げ戻ります。リンダを小屋の外へ追い出したアッシュは、スコットを励まして水を飲ませようとするものの、息絶えます。
一人残されたアッシュはナイフを持ったリンダに襲いかかられ、彼女の背中にナイフを突き立てて倒し、納屋に運んでチェーンソーで切断しようとするものの、決心がつかずに外で埋葬します。まもなく、土の中から飛び出してきたリンダに対し、アッシュはスコップで斬首します。
小屋へ戻ったアッシュは、悪魔に憑かれたスコットとシェリルに襲われ、スコットに足を掴まれて動けなくなるものの、床にあった「死者の書」をリンダの形見のペンダントで手繰り寄せ、暖炉に投げ込みませ。
死者の書が燃え上がると悪魔憑きたちは溶け出し、その腹を粉砕して異形が現れては力尽きます。
やがて夜明けになり、アッシュは小屋を出るが、彼の背後から何かがアッシュに襲いかかります。



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