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ジョナサン=デミ監督『羊たちの沈黙』解説あらすじ

1980年代解説
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始めに

デミ監督『羊たちの沈黙』について解説あらすじを書いていきます。

演出、背景知識

刑事物の新しいバリエーション

 従来の刑事物のバリエーションは『ダーティ=ハリー』シリーズ(1.2.3.4.5)のようなはぐれ刑事物が主流でした。『ダーティ=ハリー』シリーズに代表されるように、はぐれ刑事物ではリバタリアニズムを体現するような、マッチョなヒーローがメジャーでした。

 一方で、本作のヒロインであるクラリス=スターリングはそのようなイメージとは異なっています。クラリスはインテリで繊細でトラウマを抱えており脆く、独特のキャラクターデザインがなされています。

 加えて、アグレッシブな暴力で事件を解決してきたはぐれ刑事物と異なり、本作では犯人特定のためにプロファイリングや犯罪心理学、精神分析が用いられています。こうした推理サスペンスとしてのモチーフの新鮮さはインパクトがあり、多くのフォロワーを産みました。

またサイコパスのキャラクターであるハンニバル=レクターも悪役として印象的で、サイコパスでありつつインテリというデザインが新鮮でした。

ジャンルに対する試金石として優れるものの…

 本作品はリドスコ監督『ブレード=ランナー』のように、ジャンルに対する試金石としては優れていたものの、作品の演出やシナリオなどの品質は至らない点も多く、フォロワーの方が洗練されていて面白い、みたいな内容です。

 『DEATH NOTE』『魔人探偵脳噛ネウロ』『ケイゾク』『殺し屋1』etc…と本作に影響されて作られたと思しき作品は無数にありますが、いずれも本作よりも洗練されていて魅力的です。

 本作は有名なニアミスする場面もそうですが、全体的に見せ方が野暮ったいです。

物語世界

あらすじ

 アメリカ各地で、若い女性を狙う連続猟奇殺人事件が発生。川へ遺棄された遺体から皮膚が剥ぎ取られていたことから犯人は「バッファロー=ビル」と呼ばれました。

 FBIアカデミーの実習生クラリス=スターリングは、バージニアでの訓練中、行動科学課語のクロフォード主任捜査官のオフィスに呼び出されます。クロフォードは、バッファロー=ビル事件解明のために、監禁中の凶悪殺人犯の心理分析を行っていたが、元精神科医の囚人ハンニバル=レクターは、FBIへの協力を拒絶していました。クラリスは、クロフォードに代わって事件に関する助言を求めるため、レクターの収監されているボルティモアの州立精神病院に向かいます。

 レクターやの底知れなさ、更に殺人事件に携わることへの緊張感から、クラリスは過去のトラウマを引き出されます。クラリスは保安官だった父親の死、更に引き取られた牧羊家の叔父の家で羊が屠殺されるのを目にし、衝動的に逃がそうとした過去がありました。羊はただ動かず、必死にもがいても何もできない恐怖は、牧場を去り施設に入れられて大人になった現在でもクラリスの心に染み付いていました。

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