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ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス=ロード』解説あらすじ

2010年代解説
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はじめに

ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス=ロード』解説あらすじを書いていきます。

演出、背景知識

シリーズリブート

 本作はマッドマックスシリーズ(1.2.3.4)の4作目にあたる作品ですが、シリーズリブートのような感じになっています。

 このシリーズは2からポストアポカリプスものの西部劇風のSF映画のなっていきましたが、本作もそのようなジャンルになっています。

神話的象徴

 このシリーズは2から、顕著に神話的象徴の手法が取り入れられるようになり、エリオット『荒地』やフォークナー『響きと怒り』以降のモダニズムのモードを踏まえています。2でも文化人類学的なエッセンスが濃厚で、キャメロン監督『アバター』をも連想します。

 本作もマックスという英雄の放浪が描かれていきますが、ロードムービーとしての完成度が一級で、ヴェンダース(『パリ、テキサス』)のフィルムを思わせます。

大陸横断鉄道。乗り物サスペンス、ロードムービー

 2では修正主義西部劇、3ではサンダル時代劇と、ジャンル的な実験やパロディをシリーズ(1.2.3.4)の中で展開しているのが『マッドマックス』の特徴ですが、本作はヒッチコック(『バルカン超特急』)作品を思わせる乗り物サスペンス、メロドラマ、ロードムービーになっています。

 女性キャラクターを中心に展開されるメロドラマは繊細で丁寧です。

物語世界

あらすじ

 核兵器による大量殺戮戦争勃発後、文明社会が壊滅した世界。

 砂漠化したウェイストランドで、元警官マックスは、過去に救えなかった命の幻覚と幻聴に悩みます。V8インターセプターを運転する道中で暴徒に遭い捕縛され、シタデルという砦に連行されたマックスは、インターセプターを奪われた上に身体を拘束され、環境汚染からの疾病を患う住人に供血利用されます。そこではイモータン=ジョーを首領とした独自教義を持つ好戦的な集団の支配のもと、潤沢な地下水(アクア=コーラ)と農作物栽培を牛耳る独裁社会がありました。

 ガスタウンへと向かう取引当日、ジョーの部隊を統率するフュリオサ=ジョ=バッサ大隊長は、ジョー一族が受胎出産させることを目的として監禁していた5人の妻(ワイブズ)であるスプレンディド、トースト、ケイパブル、ダグ、フラジールの身柄を秘密裏にウォー=リグに搭乗させ、フュリオサの出生地である「緑の地」に匿う逃亡計画を、3000ガロンのガソリン取引を隠れ蓑に東へと進路を変えて実行。ジョーは追走を開始します。マックスはウォーボーイのニュークスの常備用「血液袋」として追尾車両に鎖で繋がれワイブス追走の争いに巻き込まれます。

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