PR

ノーラン監督『ダークナイト ライジング』解説あらすじ

2010年代解説
記事内に広告が含まれています。

はじめに

 ノーラン監督『ダークナイト ライジング』解説あらすじを書いていきます。

演出、背景知識

アメコミ原作映画

 アメコミ原作映画に関しては30年代ごろからあり、すでに長い歴史的な蓄積があるジャンルなのですが、このころのヒット作はバートン版『バットマン』シリーズ(1.2)やドナー監督『スーパーマン』のような感じで、象徴主義演劇風のカリカチュアライズや古典的なアラン=ドワンや連続活劇風の牧歌的なコメディアクション路線がメジャーでした。やがてライミ監督『スパイダーマン』シリーズ(1.2.3)のような上質なメロドラマ路線やプロヤス監督『クロウ/飛翔伝説』みたいなリアリズムベースの厨二病路線(ノーラン監督『ダークナイト』シリーズ[1.2.3]、スナイダー監督『ウォッチメン』)がヒットをかましたりトレンドになってモードを形成していくのでした。

 本作はノーランお得意のキレの悪い松竹大船調チックな演出が炸裂し、寒い厨二病ドラマを盛り上げてくれます。

リバタリアンSFのパロディ

 本作はリバタリアニズムへの異議申し立てのテーマを孕んだSFになっていて、つまるところ私刑の是非や世界の警察たらんとするアメリカというネーションの象徴たるバットマンの苦悩を描くドラマになっています。

 本作の主人公のバットマンは、自身のありかたや正義に疑いを持っています。自身の私刑は本当に正義なのか疑念を持ち、葛藤します。自身がゴッサムシティのために必要であることは理解しつつも、自分のような存在が不要になることを強くのぞんでいます。

 『キック・アス』もそうですが、ヒーロー者のパロディというかメタ的な内容で私刑やリバタリアン的なイデオロギーの是非とかを展開するのは、出てくる企画でしょうが、あんまり要領が悪くて薄味だと鼻白むものがあります。せめて『ロボコップ』くらい健闘して欲しいところ。

物語世界

あらすじ

 前作での地方検事ハービー=デントの死から8年。ゴッサム=シティでは「デント法」が制定されて警察の権限が強化され、組織犯罪が一掃されていました。

 デントの罪を被ったバットマンは姿を隠し、その正体であるウェイン産業会長ブルース=ウェインも再建された屋敷に閉じこもりました。

 若手警察官ジョン=ブレイクはバットマンの協力を要請します。ブレイクはブルースがバットマンの正体である事を確信していました。

 ウェイン家執事アルフレッド=ペニーワースの調べで、敵のベインはブルース同様に影の同盟でデュカードことラーズ・アル・グールから戦いを学んだものの、ラーズから破門されていた事が分かります。アルフレッドは現在のブルースでは敵わないと考え、考え直させるために執事を辞職します。

 

コメント

You cannot copy content of this page

タイトルとURLをコピーしました